デジタルアンプICには、Texas Instruments 社製『TPA3250』を搭載!!
最大130W(32V/4Ω時)PurePath™Ultra-HDにより超低歪率を誇り、音質重視のハイエンドサウンドバーや高級ミニコンポで採用される、新世代D級デジタルアンプICです。
安定した旧型ICを好んで煮詰めるFX-AUDIO-としては珍しく、世代的には最新と言っていいICです。機能的には非常に高機能ですが、今回はシンプルにPurePath™Ultra-HDによる超低歪率が目玉となってます。
ブリッジ回路に詳しい方ならピンと来ると思いますが、PWMでの電流制御はゲートドライバーの制御が肝でして、古いICだと制御自体が個々の回路別なので、優先順位での振る舞いやバッティングでのエラーが結構ありました。
で、それが歪みの一因だったりするわけですが、そこを統合的なフィードバックで制御して独自の高速エラー訂正機能で補正するという、実に単純でまっとうな現代的手法で解消したら、驚きの超低歪率デジタルアンプICが誕生したわけですね。
今までデジタルアンプはデジタル臭いとか音が無機質だとか言われたのも、実は特定帯域の歪みが原因だったりするのですが、TPA3250は音声帯域全域で低歪率ですから、聴感的にはトランジスタアンプに近いものがあります。
そしてトランジスタアンプとの最大の違いは圧倒的なエネルギー効率(92% 8 Ω)と、それに伴う発熱の少なさから得られる熱的安定性です。
一応ヒートシンクは付いていますが、ほとんどのユーザー樣には不要かもしれないです。
弊社の事務所は約70平米なんですが、ヒートシンクを外して一日中大きめの音でBGM流しても素手でチップが触れます。(保証期間中は保証効かなくなるので開けちゃだめですよー!)
左右チャンネル独立オペアンプバッファー搭載
前段のバッファー回路には音質面でコストパフォーマンスの高いTexas Instruments製オーディオ用 オペアンプ「NE5532」(DIPソケット式)を採用し左右チャンネル独立仕様としています。
上級者はオペアンプの交換により、好みの音質に近づけていただける楽しみも!
※オペアンプの交換はお客様ご自身の自己責任となり、保証対象外となりますのでご注意ください。
なぜ前段バッファ積んでる機種が増えてるのかって、たまにメールで質問が来るんですけど、割と単純ですが「SNRが良くなるようにバッファを積んでます。」と返答しています。
バッファについては賛否両論ありますが、かなり以前からOPアンプを使ったプリアンプは自作オーディオで使われていて、RCA出力の弱い前段機器にはよく効いたんです。
その流れに+して、最近のデジタルアンプICは「SNR良くするにはシグナルレベル~以上で受ける必要がある」みたいになってきてるのもあり、新機種はMCUとバッファが必須みたいになってます。
でも一番重要なのはあそべることですけどね。
高出力アンプだからこそ、安全なプロテクション回路内蔵!
ICが内蔵する保護回路の性能を、NFJオリジナルMCUが100%活用
電源ON/OFF時のポップノイズ抑制だけでなく、出力短絡、過電流、過熱、からの保護はPROTECTION LEDでお知らせします。
また保護回路が働いた場合に、復帰は電源スイッチをOFFにするだけと簡単です。
最近、FX-AUDIO-製品ではMCU制御が増えてますが、これはICの持つ機能を最大限活かすためには、単純な固定抵抗で設定ONにしとけばいいなんて時代じゃなくなったからなんです。
今でこそソフトOFFに抵抗ある人は減りましたけど、D302の時は初のフルデジタルアンプでオートソフトOFFでしたから、物議を醸したのがなつかしいですね(苦笑)
出力LPF段には空芯コイルとPILKOR製メタライズドフィルムコンデンサを採用!
空芯コイルはベストセラーFX-202Jでも採用され、パワフルで広がりのある空間表現から好評だった逸品です。
また空芯コイルとのマッチングから、今回はPILKOR社製メタライズドフィルムコンデンサーを採用しました。
実はTPA3250は高効率超低歪みなんですが、綺麗で正確すぎてちょっと冷たい印象を受けやすい音なんです。俗に言うクールビューティーって奴なんですけど、開放的でノビノビとした空芯コイルを使うことによって、美しいけれど緊張しない音に少しだけチューニングされています。
このチューニングに一役買ってるのがPILKORのフィルムコンデンサで、空芯コイルとはFX202Aからつづく長い付き合いのバイヤーKが選んだ逸品です。
この出力段LPFはスペース的な問題で、大出力ICだと干渉を避けるため閉磁型かトロイダルの二択なんですが、空芯コイルを使えたのは後述するTPA3250の特徴のおかげで電源平滑コンデンサーを排除できたのが大きいです。
効率的に配置されたバルクコンデンサで十分に効果を発揮!
IC直下に各ライン別のバルクコンデンサとして、ルビコン製 YXG 35V1800uFを配置。
効率的で高速の出力素子を持つTPA3250に最適化した電源ライン設計は、今までの常識より少ない容量で十分な性能を発揮します。
ICそのものの性能が上がるということは、周りの回路に要求されるレベルも上がるわけですけど、逆に言えば過剰な品質や物量で重箱の隅を突くようにしなくてもよくなったということなんです。
方向としては大歓迎なんですが、ちょっと寂しい気はします。
まあ、結局自分のは弄っちゃうんですけど(笑)
電源フィルター機構の実装、及び電源ラインのチューニングを実施
電源入力部アクティブフィルタによりクリーンな電源にしつつ応答性の高い給電を実現させて電源平滑コンデンサを排除。
大型の電源平滑コンデンサ排除によりアートワークに余裕が生まれ、理想的な出力回路設計が高音質かつ力強い出力を提供しております。
FX-AUDIO-製品の特徴として、電源クリーナーと電源回路の応答性を上げるための大容量バルクコンデンサーがあったんですが、より積極的にアクティブフィルタで給電スピードを落とさず、要求されるラインの直近にバルクコンデンサを置く設計に1年ほど前から移行してきてます。
これが最近のオーディオICとマッチしてるのは、先日の記事
の中でも少し触れてますので、興味の有る方は読んでください。